アンティーク時計店「トライフル」のイチオシ
アンティーク時計店「トライフル」のイチオシ
全国各地のアンティーク時計ファンが集う店「トライフル」。代表の寺山和弘さんが挙げる「イチオシ」は、あえて時計ではありません。店の前に存在感を持って佇むラビットスクーターです。
「地方から来ていただくお客さんも多いので、お伝えしやすくわかりやすい目印になってくれています。うちの看板代わりですね。もちろん、現役ですよ。仕事でも使いますし、ラビット仲間で走りに行くこともあります」
ラビットスクーターとは、第二次大戦後に軍用機生産から転身した富士重工(旧中島飛行機)が開発した量産型スクーターです。安価で丈夫なスクーターとして爆発的にヒットして、敗戦後の復興期に広く使われました。その後、自動車の普及や本田のスーパーカブの台頭で1968年に製造中止となりましたが、昔を懐かしむファンたちによって乗り続けられている名車です。
「トライフル」の看板前を陣取るラビットスクーター。
街中を走っていると、同じくラビット乗りから声をかけられることもあるそうです。
「古いだけがとりえではありませんよ。ラビットは構造が単純で専用の部品が少ない。それでいて内部までしっかり作ってある。メンテナンスを怠らなければ長く使えるんです。乗れば乗るほど愛着がわいてきます」
寺山さんとラビットとの出会いは5年前。ある人に譲ってもらったのだそうです。
「出会った瞬間に自分が求めていたのはコレだ!と感じました。一目惚れです」
見た目だけオシャレで多機能でも、すぐに壊れてしまったり長持ちしないような機械や道具が増えている中、「モノ作りは本来こうあるべき」と思い出させてくれるようなスクーターなのだそうです。職人技が込められた時計を扱う「トライフル」にぴったりの目印かもしれませんね。
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